ネカマ論
2005.06.30 Thursday 20:53
現実世界では出来ない事でも、ネットの世界では簡単に出来る事がある。
自分を詐称する事もその一つだ。そもそもHNで呼ぶのが通例のこの世界、
個人のプロフィールなど架空だと思ったほうがいいぐらいだ。
中には、男なのに、女のフリをする人が居る。
ネカマと呼ばれる人種だ。
そして、驚くべき事に、ネカマに釣られる男はかなり多い。
中学生とか、高校生の女の子を偽ると、
やたらといろんな人から話しかけられる。
おっさんのプロフィールだと知り合い以外見向きもしないのにな。
俺もある場所では一応ネカマみたいな事をしている。
悪趣味ではあるけど、別に本気で騙すつもりはない。
つか、単にプロフィールをさゆみんにして、さゆみん語を話してるだけだ。
で、たまにあえてわざと素の部分を出す。
つまり、こっちは遊びでやってるんだよ、ってことを暗に言うわけだ。
だから、相手もそれをわきまえた上で付き合ってくれている。
たまに空気読めない人は本気で信じてきますけどね。
互いに偽っているという事がわかっていて、
尚それを演じるのは、結構面白いものだ。
ネカマに限らず、ネットの世界では「演じる」という行為に
魅力を感じている人は少なくないだろう。
ネット弁慶とかもその一種といえる。
わかっているけど偽りを続ける・・・これはヲタ活動もそうかもしれない。
ネットはバーチャルだけど、ヲタ活動も半バーチャルに近い。
ただ、別に彼女たちが俺らを騙しているわけではない。
彼女たちは無論、アイドルを演じているわけだが、
アイドルである彼女たちは紛れもなく本物であり、
俺らはそのアイドルである彼女たちが好きなわけだ。
いったい何を偽っているのか。それは自分自身だろう。
俺はさゆみんの事が好きだ。それに偽りはない。
しかし、心のどこかでは思っているはずだ。
これは本当の恋愛ではないな・・と。
俺はある程度さゆみんを知っているといっても、
アイドルとしての彼女しか知らなわけであり、
当然、プライベートの彼女は理解していない。
そして彼女は俺の事など何も知らないわけだ。
互いの事を知らないのに恋愛なんて成り立つわけがない。
だから、これは擬似恋愛である事は最初から明らかだ。
それがわかっていても、その擬似恋愛を楽しんでいる。
恋に恋するという感じに近いな。
いったい何が本当の自分の気持ちなのか、
それがわからなくなる時がある。
そういう時、再確認をする。やっぱりさゆみんの事が好きだ。
自分の都合のいい未来を、ありえないと思いつつも、
極僅かな可能性を信じて活動をする。少しでも可能性をあげる努力をする。
そこが一番自分を騙している部分なんだろうな。